ブックレビュー ホルヘ・ルイス・ボルヘス『エル・アレフ』 † 評者: 篠瀬櫂 日付: 2016-11-26 感想 † 円環、無限、永遠といった題材についての独特の立場が、類稀なる博識に裏打ちされた虚構の中で明らかにされる。つるりと飲み下そうにも喉につかえる。その異物感はやがて驚異へと変わる。 ボルヘスの短編には世界のすべてが凝縮されている。「不死の人」にはじまり表題作で終わるこの作品集を読めば、その意味がわかることだろう。