ブックレビュー イスマイル・カダレ『夢宮殿』 † 評者: 篠瀬櫂 日付: 2016-11-26 感想 † 名家の血を引く主人公は、紹介状を手に〈夢宮殿〉へと足を踏み入れる。謎に包まれたこの国家機関では、帝国中から集まった夢が選別され解釈されていた。夢想と権謀が入り混じる、重苦しくも魅力的な官僚機構へと、主人公とともに没入してゆく。幻想的な道具立てでもってディストピアを描いた、アルバニア人作家の代表作。