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京都工芸繊維大学 文藝部

Top / 活動 / 霧雨 / vol.48 / *恋猫水溶液*
Last-modified: 2020-12-22 (火) 22:27:45 (273d)
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活動/霧雨

*恋猫水溶液*

鮎川つくる*作*  

 

さくら満開ガーリーという語をはき違え

山眠る思い通りのお洒落して

プリキュアの目にハイライト竜田姫

「マッチョ苦手」砂日傘の鮮やかに

春めくやおなかをぽんぽんと言う余裕

dickとかいう外国語四月馬鹿

秋の蛇おまえも悩むのかと言われ

さんずいとにすいのかわり目九月尽

すももには恥をかかされたから嫌い

ぺらぺらの千円札や万聖節

  *

アマリリス占星術では癒やされぬ

雨月の街にインターネット的空想

風薫る沁みるガガーリンの名言

秋声や「眼鏡は生理的に無理」あーあ

黍嵐「いいね」の逆は「よくないね」

紙魚ちゃんにかじっちゃヤーよとこびてみる

(血の成分)=(恋猫水溶液)

ふくろふやジブリが好きとは言えなさそう

「とろろ汁あんまり得意じゃ無いの」いまさら

舞台女優はほんとに泣いていた霞

さくら蕊降る高齢化社会へと

「※フィクションです」に安心・慢心いわし雲

良夜なりかわいい名前「けむぴこ君」

釣瓶落とし何がスローフードだよ

鳥帰る暴走族にも帰る家

「~として」生まれたる世の残暑かな

寒暁のチリンが軽くてつらい

JSの方言美しや日の盛

ぼくの『メイドインアビス』手汗でくたくた

寒暁はプラスチックは飛び散った

  *

豊年やなんでも漏らすのは快感

名月や突然強く腹下す

冷房か下痢かはざまの九月尽

  *

「一説によると……」寄り目に西日が当たってた

秋の虹の方へアルバイトへ向かふ

ゆで卵つるりと剥けて秋惜しむ

大理石のなかのアンモナイト涼し

数式のxに居座る西日かな

畳くずいっぱい部室は寒い寒い

西日ですパラボラアンテナ一つ

「ええそうです」電話の指の先は春

冷奴食うてる猫背が痛そうで

  *

店長は東京出身文化の日

占い師が欲しい二〇二〇年秋

秋風鈴天気予報は外れたの

休暇明け太字混じりの自己顕示

宵祭予言二三を耳打ちす

あーいま多佳子忌だったと空を見る

露の世やゆるーい「名湯ゆ~トピア」

造幣局はmintというらし冬うらら

「神に愛される」ことは死ぬことやまざくら

ああ涼しアンモナイトは強そうで

君付けで呼ばれるアイドル四月馬鹿

  *

冷まじやフルネームでは呼ばないで

酔芙蓉グレてもきっとお嬢様

くらげ拾ふ結婚線は見えません

朝寒にうまく行かない四捨五入

初冬や分母と分子の仲違い

  *

袋角触れればふぐりほどの熱

薔薇垣に体言止めのひびきあり

仏前に男女は無くて遍路かな

遠雷がへそから入り抜けにけり

じゃんけんのグーで負けたる涼しさよ

台風がえがく軌跡のくびれかな

セーターを脱ぎしかたちの個性かな