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京都工芸繊維大学 文藝部

Top / 活動 / 霧雨 / vol.46 / この世界の、どこかの誰かの孤独
Last-modified: 2020-12-21 (月) 21:26:00 (1450d)
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活動/霧雨

この世界の、どこかの誰かの孤独

葉野海

 

過ぎ去った時間を数え直すとき、

世界に独り、座っているのは、わたし

明日が描けなくなった、この手が描くのは

色のない故郷

 

閉じられた絵本を手に取って、

背表紙を撫でたとき、心臓が脈打った

 

コーヒーの匂いが恋しくて

シチューの味が懐かしいから

わたしは、わたしを生かし続けるのでしょう

 

どこかの誰かの呼吸が聞こえて

孤独を優しく包んだら、朝日みたいに光ってる