羊たちの沈黙 †
- 出演: ジョディ・フォスター, アンソニー・ホプキンス, スコット・グレン, テッド・レビン
- 監督: ジョナサン・デミ
- 評者: 哉
- 日付: 2006-08-03
お薦め対象 †
まだ観ていないかたへ。
あらすじ †
大柄な白人女性が皮を剥がれて殺される凄惨な事件が多発していた。捜査に行き詰まったFBIは訓練生クラリスに、自らの患者を9人も惨殺して食べた獄中の天才精神科医レクター博士に協力を求め犯人像を割り出すという命令を与える。
感想 †
全体に流れる雰囲気が素晴らしい秀作です。
まず挙げなければならないことは、天才精神科医のハンニバル=レクターを演じた
アンソニー=ホプキンスの存在感でしょう。
レクター博士は、自身の患者を殺し食べた罪により獄中に幽閉されています。ストーリーは、クラリス捜査官(ジョディ=フォスター)が、猟奇殺人事件のプロファイリングを依頼するところから始まります。
一筋縄ではいかないレクター博士に翻弄されながらも、事件の深層へと足を踏み入れていくクラリス。このあたりの描写がうまく、犯人の持つ異常性と犠牲者の叫びとが相まって、張り詰めた緊張感と焦燥感をわたしたちに与えてくれます。
この物語は、けっして殺人犯とそれを追い詰めるクラリス捜査官とのサスペンスだけではありません。その奥には、レクター博士の変質的で一途なクラリスへの愛を垣間見ることができるでしょう。気になる子を、気になるがゆえについいじめてしまう男の子。相容れないと嫌悪していても、ふとしたことで心が動いてしまう女の子。
互いに惹かれあっていても、彼らは触れ合おうとましません。
なぜなら、レクター博士は食人鬼であり、クラリスは国の平和を任された若きFBIであるから。
あらすじで読むよりもあまりグロテスクではありませんでした。かなり、お勧めです。
評価:A