けものがれ、俺らの猿と †
- 出演: 永瀬正敏, 鳥肌実, 降谷建志, 車だん吉, ムッシュかまやつ
- 監督: 須永秀明
- 評者: 哉
- 日付: 2006-08-09
お薦め対象 †
鳥肌実が出てますよ。
あらすじ †
仕事を干されている脚本家が、映画プロデューサーに誘われるままシナリオハンティングに出掛け、次々と思いもよらぬ被害の洪水に飲み込まれるスラップスティックファンタジー。絶望の淵に立たされた、うだつの上がらない脚本家を永瀬正敏が演じている。
感想 †
うん、わからない。これは、どういうことなんだ?
と、第一印象を述べさせていただきました。これが全てです。この話の進行に、わたしは何一つ意味を見出すことができませんでした。不条理に進み、理不尽に展開する。よくですね、物語は起承転結であるというように言われますが、この作品は起転転転という感じです。
先に、町田康氏の小説のほうを読みました。こちらは「独特の文体」と評されて結構受けているようですが、わたしには合いませんでした。どちらかというと、隅々まで計算されている作品が好みですので、ナンセンスなストーリーを読んでいると眠気が襲ってきます。でも、これを読んだのは大学はいりたてかそれくらいだったので、いま読み返したら感想が変わるかもしれません。まあ、ほぼないとは思いますが。
で、なんでこの作品を観ようかと思い立ったのか。理由は、他の邦画のビデオにおさめられていた映画紹介の予告編にて、トンデモ芸人鳥肌実が、奇妙奇天烈な格好で出演していたのが印象的だったからです。
鳥肌実が出てきてから一気に面白くなり、そして彼がはけた途端に欠伸が出てしました。
映画全体に流れるどことなく胡散臭い暗さがあまり好ましくありませんでした。コメディと銘打ってありますが、「男はつらいよ」や「マスク」といったようなものを期待しないほうがよいと思います。ついていない脚本家、佐志の不運についてなのですが、どうやらわたしとは笑いの範囲が重なっていないようです。
鳥肌実のキレ具合だけを評価するなら、Aをつけても良いのですが、作品全体として考えた場合、あまり愉快な気持ちになれなかったので厳しくいきたいと思います。