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京都工芸繊維大学 文藝部

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Last-modified: 2008-11-02 (日) 23:36:14 (5647d)
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ばけらの!

  • 作者:杉井 光 イラスト:赤人
  • 評者:お亀納豆
  • 日付: 2008-11-02

お薦め対象

ラノベどころか作家さんまで好きな人。

粗筋

とあるライトノベルレーベルからデビューした新人作家、杉井ヒカル。彼を取り巻く先輩や同期の作家たちは、驚くことにみんな美少女だった!――人間じゃないけど!!ヒカルが住むアパートでは、株やパチンコに熱中する不良管狼作家イヅナや、ちっちゃな少女の姿でエッチなラブコメ作品を世に送り出す座敷童作家ツバサが、今日も元気に玉稿を執筆中……執筆してる筈!

「――羊はいいよ。羊だけは俺を裏切らないんだ。クリックすると必ず羊毛がとれるんだから」

怖い編集に迫る締切。そんなときに限って起きるちょっとした事件!刺激いっぱいのラノベ作家生活、キミも一緒にはじめてみない?

感想

「……昔の表紙ってけっこう控えめなんだなあ」
「つばさの本なんて表紙ぜんぶパンツはいてないぜ」

『れでぃ×ばと!』wwwwwwwwwwwww

GA文庫に杉井さんが登場です。最初は主人公がラノベ作家ってことで惹かれたんだが、実は物凄い内輪ネタでした。そもそも杉井さんが複数のラノベ作家と仕事場を共同で使っているということを知っているかどうかで相当作品に対する認識が変わってくる。その面子がこれまた豪華で、あざのさん(『BLACK BLOOD BLOTHERS』富士見ファンタジア文庫)、鏡さん(『伝説の勇者の伝説』富士見ファンタジア文庫)、上月司さん(『れでぃ×ばと!』電撃文庫)、鈴木大輔さん(『ご愁傷さま二ノ宮くん』富士見ファンタジア文庫)、支倉さん(『狼と香辛料』電撃文庫)、風見周ちゃん(『殺×愛』富士見ファンタジア文庫)の計七人(杉井さん含む)。この豪華メンバーをモチーフに描かれるドタバタ作家生活小説。モチーフっつーか妖怪と性別設定意外殆どまぢじゃねぇかwww
作家さん達の痴態が全国発信ですよ!!

連作短編集形式で、最後はちょっと熱血LOVE寄せな感じだが、基本はのんべりだらりとした日常。

メインヒロインの狼娘イヅナのモチーフは支倉さん。モロ『狼と香辛料』w基本的には話の軸はヒカルとイヅナのイチャイチャなので、書かれた支倉さんはどう思っているのか気になる。喜んでたらしいけど、内心ではどうなんだろうね。

座敷童子のようじょ、神無月つばさちゃんは上月さんモチーフ。ようじょ!ようじょ!何気にヒカルに対してフラグが立ってます。だから書かれた側はどういう気持ちで(ry
ちなみにロリ好きのおっさん作家にモチーフは居ないそうです。佐藤ケイさんかと思ったんだが。

エロいお姉さんの風姫屍鬼(かざひめしき)さんのモチーフは周ちゃん。ネーミングは「風姫屍鬼」→「風姫グール」→「かざひめぐーる」→「かざひめぐる」→「かざみめぐる」だそうな。「屍鬼」→「四季」→「巡る」→「めぐる」だと思ったんだが違ったよ。ゲームのシナリオをやってるなんて初めて知った。

種馬エムさんは鈴木さんモチーフ。ネーミングの由来は相当マニアックらしい。イケメンだけど、補正掛かってるのかな?何はともあれ、周ちゃんとのアレな関係を匂わせる記述がガチ過ぎるw

吸血鬼男爵ウーノは言わずもがなあざのさん。ネーミングは昔のペンネーム「宇野(あざの)」をよく「うの」と読み間違えられたところから。これは一発で判る。何気に『ポリフォニカ』の話も出ています。

仕事仲間ではないが、杉井さん達の大先輩有沢まみずさんが素敵なお姉さん陰陽師黛亜里沙さんとして登場。あれ、変態じゃない……。と言うか何で服着てるの?全裸系作家なのに……。

仕事仲間の内、何故か鏡さんだけ出て来てないんだよなぁ。何でかな。

つーわけで『ばけらの!』でした。作家の身内ネタというと、川上さんの『遭えば変するヤツら』があるが、あっちが変態方向に突き抜けていて面白いのに対して、こちらは要所要所が生々しくて面白かった。
二巻では是非鏡さんや師走さん(『火の国、風の国物語』富士見ファンタジア文庫)にも御登場願いたいものだ。純真無垢なようじょ作家水瀬葉月さん(『C^3』電撃文庫)とかも。それから、〆切をぶっちぎってるのに麻雀大会に参加しちゃう困ったちゃんとか。

ところでアニメイトで買ったら、描き下ろしやラフの載った特製リーフレットが貰えたんだが、メイトってこんな凄いもんがタダで貰えるのか。凄ぇな。

評価 燃:B+ 萌:A+ 笑:A 総:A+



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