神曲奏界ポリフォニカ ミッシング・ホワイト †
- 作者:高殿 円 イラスト:きなこ ひろ
- 評者:お亀納豆
- 日付: 2007-04-17
お薦め対象 †
設定山盛りどんとこい、な人。
粗筋 †
「僕たちは異邦人なんだよ――」
転校生のミナギによる衝撃の告白に混乱していたスノウであったが、気を取り直そうとしていた矢先に、生徒たちの契約精霊が次々といなくなるという異常事態がおきた。なぜかブランカとツクヨミは無事だったため、生徒たちから彼等の精霊を奪った犯人にされてしまうスノウ。
追いつめられたスノウはブランカに真実を問いただすが、彼は明確な答えを言ってくれない。怒りのあまり、スノウはブランカに契約解除を言い渡してしまうのだった。
消えた精霊達はどこへ? そしてスノウは元の世界へと帰ってしまうのか!?
感想 †
(オカマなのに!)
五ヶ月振りに『白』ですよ。さて今回は、いつも以上に密度が凄いです。次々と出て来る新設定や伏線らしきもの。コーティは出て来るわ、世界間の扉は開くわと大騒ぎ。
まずはリシュリーの前の契約楽士のマーヴェラス・キーラ。七楽門ですね。
『インフィニティ・ホワイト』でチェックし損ねてたけど、スノウの意地悪なクラスメイト、ランディ=シンラも七楽門なんだろうなあ。タタラ、シダラ、クダラ、ミクラ、キーラ、シンラ。残るは、あと一家か。
それからコランダム五聖家。判っている内訳は、グラナード家、ベルンシュタイン家、エコンバート家。メニス帝国が七楽門で、コランダム王国が五聖家。国の区別無く
扱われる英雄的存在が四楽聖って事で良いのかな?
次はメリディアとラグの話。
メリディアが紫の聖獣と確定。で、聖獣は柱名が力の源なんだとか。だから親しい間柄だと柱名で呼ぶんだろうか。
それからラグの契約楽士はペンションを経営しているらしい。「姐さん」って一体どんな人物なんだ……。
三つ目は女神のその音を愛されたもの、愴想楽器。色毎に在るらしく、白はエターナル・ホワイト。赤はスカーレット・リーズ。八色ちゃんと揃うんだろうな……。
四つ目はプリムローズが見付けたパイプオルガン。これって、もしかしなくても『赤』のキネティック版でトルバス神曲学院の地下に在った奏世楽器か?
五つ目はミナギが最後にスノウに言った「異邦人の嘆きの心」という意味深な台詞。もしや<嘆きの異邦人>というのは文字通り、異世界の人間で構成されているのだろうか。
でもパラレルワールド設定って、高殿さんが後付けしたもんじゃないのかなあ。
そしてコーティの台詞から推察するに、ジョッシュってフォロンと血が繋がってんのかな?
いやしかし、相変わらずリシュリー可愛えな。
一方、精霊島学院長ミストラルの元契約精霊クラウディがちょっとツンデレっぽくて萌えた。まあデイジーのツンデレっぷりには勝てない訳だが。
最後に今後の展開を。『白』のキネティック版は初夏予定。文庫四冊分のエピソードで、二種類出ます。高殿さん死ぬって!!五月に小学館が創刊するルルル文庫でも何か出すっぽいしなぁ。
さあ来月は『ビギニング・クリムゾン』。序章って、どういう事?まさかキネティック版を文庫にしたとか言わないよね?