神曲奏界ポリフォニカ ウェイワード・クリムゾン †
- 作者:榊 一郎 イラスト:神奈月 昇
- 評者:お亀納豆
- 日付: 2006-08-21
お薦め対象 †
音楽好きな人は読まない方が良いかも知れません。
粗筋 †
奏でよ、其は我等が盟約也
其は盟約
其は悦楽
其は威力
故に奏でよ汝が魂の形を
新米神曲楽士のタタラ・フォロンは、キュートで最強の精霊コーティカルテと契約をしてはいるものの、安定した神曲が扱えず未だに見習い楽士。そんな彼に、精霊の放つ力“精霊雷”を集める初仕事が舞い込んだ。
張り切るフォロンに、普段は何かとうるさいコーティカルテも、この時ばかりはなにも言わず素直に協力してくれたのだが……。
感想 †
GA文庫の創刊ラインナップに登場。まあ、この頃からレーベルの柱に『ポリフォニカ』を添える気やったんやろうなあ。他の新刊がなかなか減らない中、これだけは凄いスピードで売れてたからなあ。恐るべし榊さんのネームバリュー。
さて、本作はキネテッィクノベルとして始動した『神曲奏界ポリフォニカ』の続編に当たる。と言ってもキネテッィクノベルは読んでいなくても大丈夫。と言うか、この本で更にキネティックノベルを売ろうとしている。三ヶ月後にパッケージ版が発売されたし。
そういう訳で、キネティックノベルが学生編だとすると、文庫は社会人編。ファンタジー世界ではあるが、社会人としての心構えとかは、そのまま現実にも当て嵌まるかと。自分の年齢が年齢だけに妙にリアルと言うか、生々しいと言うか。でも、ラノベで、こういう事が書いてある作品ってのも珍しい気がする。
で、神曲という設定。神曲楽士と呼ばれる人々は神曲を奏で、精霊を従える。問題は神曲の演奏シーンなんだよなあ。楽器の音が文字で表現されています。文章じゃないよ、文字だよ。個人的には全く気にならんのだが、気になる人には気になるらしい。音楽好きが読んだら、「音楽ってのは文字で表現出来るものじゃない!」とか思うんだろうか。
そしてキャラクター。そもそもイラストのクオリティがべらぼうに高い上に美少女ゲームかと見紛う程のキャラ配置に脱帽。
まず主人公フォロンの契約精霊、コーティカルテ・アパ・ラグランジェス。そうか、やはり最近の流行りは外見年齢中学生以下か。その上ややツンデレ気味。口絵の一ページ目からは最早エロスを感じる。
それから双子のユギリ姉妹、ペルセルテとプリネシカ。前者は金髪ツインテールでフォロンにベタ惚れ。後者は銀髪ストレートで、清純派。これで攻略対象ヒロインでなくて何だと言うのか。
そしてフォロンの上司、ユフィンリー姐さん。もうよりどりみどりですね。
ってな訳で『ポリ赤』第一弾でした。今ならまだ間に合う、みんな、拡がる『ポリフォニカ』ブームに乗り遅れるな!!