レインボー・シックス 全四巻 †
- 作者: トム クランシー
- 訳者: 村上 博基
- 評者: garand
- 日付: 2007-04-03
お薦め対象 †
ミリタリー・アクションを毛嫌いしない方。
多少都合のいい展開でも許せる方。
感想 †
分かる方には分かると思いますがローグスピアだったりレイブンシールドだったりアテナソードだったりするあれです。
あのシビアなあれです。ブリーフィングなあれです。
と、よく分からない前置きはさておき、レインボーシックスとは、かの有名なトム・クランシーの著作、ジャック・ライアン・シリーズの外伝的作品です。
トム・クランシーをご存じない方でも、”レッドオクトーバーを追え”・”パトリオットゲーム”・”いま、そこにある危機”、比較的新しい物だと”トータル・フィアーズ”といえばお分かりになる方も居られるかと思います。
さて、内容についてですが、読み方により評価が分かれてしまうかと思われます。この作品をリアルな物語であると錯誤して読むと評価は低くなってしまうでしょう。
恐らくほとんどの方はプロローグを読めばおおよその雰囲気はつかめるかと思いますが、この物語は正義を愛する非常に高い能力を持つ主人公達と、誰が見ても悪であると判断出来てしまう組織との戦いを描いた、いわばハリウッドアクション映画のようなアメリカ的なヒーロー・ストーリーです。
この作品の最大のポイントは、クランシー氏の膨大な知識による詳細で緻密な描写により描き出された男達のそのプロフェッショナルな仕事ぶりです。
高度な訓練を積んだ男達が練り上げられた計画に沿ってそれぞれの高い技術を生かして作戦を遂行していく様は、たとえどのような結果になるか分かってはいてもやはり胸が躍ります。
あと、詳しくは語りませんが、物語終盤の急展開を見せるくだりはストーリーとして派手で盛り上がるので、男達の格好よさが際立つ場所でもあります。
そのリアルな描写ゆえのラストは人によっては後味が悪く感じられるかもしれませんが、男達のプロフェッショナルな描写の格好よさは一読の価値があります。
アクションエンターテイメントを求める方はどうぞ。
余談
これを読んでムーンレイカー思い出したのは自分だけじゃないはず。