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京都工芸繊維大学 文藝部


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活動/霧雨

宝石

葉野海

冷え込んだ空気に包まれて、昨日と今日に線引きをする。落ち葉を踏んではいけない気がして、その合間を歩いていく

今日もここに来ています。やらなければいけないことがあるから

そのほとんどは、光が変わり果てた姿。そうさせてしまったのは、自分自身だと私は思っている

平日の午後、陽だまりのなかを歩く。心地良い空気が心を軽くする。すぐそこにあった生活を遠くから見ている

どちらが本当の時間なのだろう

私は大人だから、陽だまりのなかにだけ居ることはできないと思っている。それに、たまには、張り詰めた緊張が欲しくなるかもしれない

だけど、心のどこかで、望むなら選択できるはずだとも思っている

暖かい光の下で、時間がゆっくりと流れる。そういう場所に居ること、そこから離れてしまうこと

何事もバランスが大事だよと友達が教えてくれる。そのとき、私は平均台に乗っているようだった

長くて先が見えない。いつ終わるか分からない世界を歩いていく

あなたは、明日もやらなければいけないことをするのでしょう。そうやって勝手に決めつけてくれるのなら、楽かもしれない

その気になれば、どこへでも行けたはずだったのに、あなたはそうしなかった。もしそう言われたら、そんなに強くなかったからと答えるつもり

何かを求めて、どこかに行くこと。それだけのことが上手くできない

だから、心に宝石がほしい。触れれば、心に刻んだこと、その全てが目の前に降りてくるような確かなもの

そしたら、陽だまりのなかにだって自由に行ける

言ってみただけ。もちろん、本気で欲しいとは思っていない。そんな簡単に、形のあるものになっては困るから

小さな光を辿っていく