開始行: [[活動/霧雨]] **踊り子のお妃様 [#l88f91c0] f ある国に、偏屈でたいそう綺麗好きだと有名な王子がいまし... それから幾か月かが経ちました。王様は若い夫婦になかなか... 心配した王様はある日、お妃の侍女にこっそり尋ねました。 「息子は妻と仲良くやっているだろうか」 侍女は困ったように答えました。 「王子さまは気難しいお方です。夜ごと楽器を演奏されては、... それを聞いた王様は怒って、すぐに王子とお妃を呼びつける... 二人は一匹だけ与えられた馬に乗り、青白い空の下を森に向... 森は薄明るく、馬は残り雪を踏み散らしながらトコトコ駆け... 立ち上がった馬の背中から、お妃がぽーんと跳ね飛ばされま... 「お妃を死なせてしまったと知れると大変だ」 王子は恐ろしくなってそこでガタガタ震えておりました。し... 「お前の犬は僕の馬を驚かせたね」 小屋に着き、お妃を寝台に寝かせると、王子は怯える狩人に... 「お前は僕に埋め合わせをしなければならないよ」 そこで狩人は、今日見たものを決して口外しないと誓いまし... 夜になっても、王子はまだお妃が目を覚ますのを待っていま... 「夜風にあたれば、お妃の気分も良くなるかもしれない」 王子はそう考えて、窓を少し開けました。月明りの下、ひと... 祈るような思いで王子がリュートを演奏していると、果たし... お妃の踊りは美しく、見る者の心を浮き立たせるような力が... しばらくして、王子が一番高い音の弦を弾くと、弦はぱしん... 王子はもう何も考えられないほどくたくたになって、井戸の... 王子は大急ぎで小屋の中に戻り、手袋をはめると、サクラソ... 「お妃、お妃、目を覚ましておくれ。あんなに素敵に踊っただ... いくら声をかけてもお妃は冷たく眠ったままでした。王子に... 再び夜になりました。フクロウの鳴声が、夜風に乗って流れ... まもなく窓から暗い影がさっと小屋の中に飛び込みました。... お妃は嬉しくてたまらないというように何度も宙にとびあが... しばらくして、王子が一番低い音の弦を弾くと、弦はぱしん... 日はもうすっかり高くなっていました。王子はまた手袋をは... 「お妃、お妃、目を覚ましておくれ。あんなに素敵に踊っただ... それでもお妃が目を覚ます様子はありません。寝台で眠るお... また夜が来ました。風が鳴り、春嵐の気配がする晩でした。... しばらくして、今度は窓から一頭のアゲハチョウが静かに小... お妃は喜びにあふれた様子で、軽やかに回転してみせました... お妃がくるくる回り、アゲハチョウも回りました。お妃のま... もう二、三度お妃が回転すると、小屋は竜巻のようなアゲハ... 音楽が止まるとお妃はやはりぴたりと動きをとめ、寝台のう... またも日はすっかり高くなっていました。たくさんのアゲハ... 「お妃、お妃、目を覚ましておくれ。あんなに素敵に踊っただ... いつもと同じように王子が声をかけても、やはりお妃のまぶ... また夜が来ましたが、王子は、今度は窓を開けませんでした... そのまま二人は夜が明けるまで踊りつづけました。その間王... ふっと王子が下を見ると、そこにはもうお妃の美しい黒髪は... 「お父しゃま」 男の子が舌ったらずに言いました。それは王子が幼い頃、王... お妃は、もうどこにもいなくなってしまったのでした。寝台... 王子は男の子の手を引いて、森を抜け、城に戻りました。そ... 王様は驚き、王子が行方知れずになったことでたいそう悲し... 行方をくらませた王子のその後は、誰にもわかりません。で... 終了行: [[活動/霧雨]] **踊り子のお妃様 [#l88f91c0] f ある国に、偏屈でたいそう綺麗好きだと有名な王子がいまし... それから幾か月かが経ちました。王様は若い夫婦になかなか... 心配した王様はある日、お妃の侍女にこっそり尋ねました。 「息子は妻と仲良くやっているだろうか」 侍女は困ったように答えました。 「王子さまは気難しいお方です。夜ごと楽器を演奏されては、... それを聞いた王様は怒って、すぐに王子とお妃を呼びつける... 二人は一匹だけ与えられた馬に乗り、青白い空の下を森に向... 森は薄明るく、馬は残り雪を踏み散らしながらトコトコ駆け... 立ち上がった馬の背中から、お妃がぽーんと跳ね飛ばされま... 「お妃を死なせてしまったと知れると大変だ」 王子は恐ろしくなってそこでガタガタ震えておりました。し... 「お前の犬は僕の馬を驚かせたね」 小屋に着き、お妃を寝台に寝かせると、王子は怯える狩人に... 「お前は僕に埋め合わせをしなければならないよ」 そこで狩人は、今日見たものを決して口外しないと誓いまし... 夜になっても、王子はまだお妃が目を覚ますのを待っていま... 「夜風にあたれば、お妃の気分も良くなるかもしれない」 王子はそう考えて、窓を少し開けました。月明りの下、ひと... 祈るような思いで王子がリュートを演奏していると、果たし... お妃の踊りは美しく、見る者の心を浮き立たせるような力が... しばらくして、王子が一番高い音の弦を弾くと、弦はぱしん... 王子はもう何も考えられないほどくたくたになって、井戸の... 王子は大急ぎで小屋の中に戻り、手袋をはめると、サクラソ... 「お妃、お妃、目を覚ましておくれ。あんなに素敵に踊っただ... いくら声をかけてもお妃は冷たく眠ったままでした。王子に... 再び夜になりました。フクロウの鳴声が、夜風に乗って流れ... まもなく窓から暗い影がさっと小屋の中に飛び込みました。... お妃は嬉しくてたまらないというように何度も宙にとびあが... しばらくして、王子が一番低い音の弦を弾くと、弦はぱしん... 日はもうすっかり高くなっていました。王子はまた手袋をは... 「お妃、お妃、目を覚ましておくれ。あんなに素敵に踊っただ... それでもお妃が目を覚ます様子はありません。寝台で眠るお... また夜が来ました。風が鳴り、春嵐の気配がする晩でした。... しばらくして、今度は窓から一頭のアゲハチョウが静かに小... お妃は喜びにあふれた様子で、軽やかに回転してみせました... お妃がくるくる回り、アゲハチョウも回りました。お妃のま... もう二、三度お妃が回転すると、小屋は竜巻のようなアゲハ... 音楽が止まるとお妃はやはりぴたりと動きをとめ、寝台のう... またも日はすっかり高くなっていました。たくさんのアゲハ... 「お妃、お妃、目を覚ましておくれ。あんなに素敵に踊っただ... いつもと同じように王子が声をかけても、やはりお妃のまぶ... また夜が来ましたが、王子は、今度は窓を開けませんでした... そのまま二人は夜が明けるまで踊りつづけました。その間王... ふっと王子が下を見ると、そこにはもうお妃の美しい黒髪は... 「お父しゃま」 男の子が舌ったらずに言いました。それは王子が幼い頃、王... お妃は、もうどこにもいなくなってしまったのでした。寝台... 王子は男の子の手を引いて、森を抜け、城に戻りました。そ... 王様は驚き、王子が行方知れずになったことでたいそう悲し... 行方をくらませた王子のその後は、誰にもわかりません。で... ページ名: