開始行: [[活動/霧雨]] **八月三十一日 [#ced147c2] 狐砂走 (ヤバい......どうしてこうなった) 私の机の上には数学問題集と白紙のノート、英作文用紙に理... できるならこうなる事は避けたかった。やろうとは思ってい... (もう知らん。どーにでもなれ) 私は布団に潜り込み寝た。床には翌日で役目を全うできると... 意識は先の見えない常闇に沈み、現実を忘れ去ろうとした。 タッタッタッタ...... 廊下を靴下でも履いたような布と木のぶつかる足音が私の意... (やけに騒がしい......) 親が廊下を掃除しているならこの音の原因も分かる。ただ、... 私は目を瞑りながら芋虫のように這ってドアを探した。 おかしい。 もしも私の右手に触れているものがドアであれば磨かれた木... 恐る恐る鉛の瞼を上げると目の前には襖があった。部屋が真... 私は襖の端を両手で掴み、毎秒一ミリのペースで襖を左から... そこには幅五十メートルの先の見えない廊下に天井が一円玉... 中には自分が両腕で思いっきり広げてもおそらくは届かない... 即ち、どいつもこいつもサイズが桁違いであった。 私の居た部屋も違い、広さは四畳半の畳の間であり、四方を... 私は橙色の光に包まれた大通りを避けるように襖を沢山開け... 始めの一枚目二枚目は慎重に開けていたが、三枚目からは面... 十三枚目の襖の前まで来たときには後ろを見れば、足音はせ... 正直、こんなに襖があるんだから一気に連続で開けたいと思... 開けた後、一瞬後悔してしまった。 目の前には自分の身長の倍はあるような大男が立っていた。... 「ひっく......俺の昔話を聞きてぇか?」 酔いすぎてボケているのか私に対して昔話を聞かせてきた。... 「昔々、とある国で帝は国を治めていました。才能も財力、運... 帝は考えました。『もっと寛大になって己の能力を持てばき... 帝は自分の城に民を呼び、宴会を開くと民はこれでもかと食... 帝は怒り狂いました。欲に溺れた者に裁きと、悪魔を呼ぶた... 帝は晴れて『大帝』となり、才能も財力、運も手に入れまし... しかし、国民も難民も、敵国の民でさえ誰もいません。 国にはたった一人しかいませんでした......と。 どうだ? 面白いだろ」 「ははぁ......」 分かんないけど、その昔話がバッドエンドなのは分かった。 「はっ! こうしてはいられんな。宴会にいかなければ ここでは見ない顔だねぇ......どこかで会った? まぁ、そ... 彼はこちらを見ると顎を右手で摩りながら、 「そういえば、これからやらなければならない物があったよう... 「いえ......」 勿論知るわけがないし、会った事も無かった。 「そうかぁ......んーじゃあ、これ預けとく」 そう言って彼の胸倉から何十個もあるような鍵の束を渡され... 「ほれ、重いし鍵なんてどれも一緒に見えてしょうがない。ん... 彼はそう言ってそのまま去っていた。彼の足音はタンスでも... 私は彼の言う通り、ひたすら真っすぐ歩いた。 襖にぶつかっては開け、ぶつかっては開けを繰り返して五分... 先程渡された鍵を試しにいくつか鍵穴に入れてみると開いた... 私の足元には鉄錆の匂いで充満し、錆びた鉄粉が巻き散って... 襖を開けるとそこには書類の束があった。内容は様々であり... (あれ? こんな所に丸い水晶?) 琥珀色の大きな水晶があった。最初、地球儀かと思ったが、... このとき、触れなければよかったと後悔した。 (これは水晶じゃない......蛇の目だ!) 気づいた時にはもう遅く、倉庫の書類の束を倒しながら蛇は... (逃げないと......) ---------------------------------------------------------... 大男は襖を開けると俺と同じくらいの人々が豪華な料理が置... 「遅かったではないか? どこで油売ってた?『大馬鹿者』」 声の方向を見ると蒼いスーツを着た肥満の男がいた。 「これはこれは。お初にお目にかかる。『大臣』。また何か不... まあ、大方、ここに来る輩は何かしらの背負いきれない程の... 「何の話だ。私は事務仕事で忙しいのでね。今回の宴会の主は... (代償ねぇ......) 俺は宴会場の辺りを見渡した。 虚飾は舞台で踊り、燃料は無駄に捨てながら鯨はアルコール... 『大神』、『大統領』、『大海賊』、『大金持ち』、『大帝... 少し耳を澄ませば、 「何十年にもわたって国からの借金を背負い、明日になればデ... 「我は人間ごときに邪神として木の切れ端か何かに封印されて... 「いやぁ、なんと恐ろしい。その時は私へご贔屓お願いします... 彼らの会話を聞けば、とにかく物騒な話題が彼方此方に飛ん... そんな中、『大罪人』は茶色く薄汚れてた途切れ途切れの包... 「やあ、賢き者」 声のする方向へ顔を向くと、小さな少年がいた。 「『大帝』君。今日の客はどうだぁい? 巨大なモノを集める... 「それでどうしたの?」 「あっ......酔った勢いで大襖の鍵渡しちゃった。まぁ、仕方... 俺が鍵を少年に渡した事を口走った瞬間、辺りが凍り付いた。 周りの声は、 「ありえんだろ......きっと間違いだ」 「あの『大馬鹿者』のことだ、思い違いだろ」 皆々は先程まで大帝による宿題の焼却を楽しみにし、酔って... 「おい、馬鹿野郎! 君が何したのか分かっているのか!」 背後から畳を踏み潰すながら歩いてきたのは『大臣』だった。 「何か不味い事でもあるのか? 俺は大帝から大襖を任されて... 俺は腰を低くして大帝との高さを合わせた。 「無論、余は寛大であり、鍵くらい『大馬鹿者』に任せてもよ... 「何を流暢に酔っとる! こうしてはおられん、大襖はどこだ... 「あー、それなんだけどね......」 俺は場所を言おうとしたがその必要は無かった。 大襖の側からこっちに来たらしい。 従者の慌てふためく声、木がバキバキと破壊されゆく音と風... 瞬きをする度に音は拡大していった。 襖が破られ、目を向けると少年と大蛇の姿、そして紙吹雪の... 「皆、俺の大蛇がすまない! どうやらこの大船でも奴にとっ... 「ハハハハハハハ......余も宴会でこれほどまで派手な去り際... 俺は少年をハムスターをつまむように手に取ると、大蛇の頭... 「ここから出るぞ小僧。宿題なんて俺には好き勝手暴れてるか... 「いや......」 少年の様子を見たが、全く見当が付かない様子だった。 大蛇は黒袴の従者を紙吹雪の舞うが如く飛ばしながら木の板... ---------------------------------------------------------... 「皆の者! 余は一つの問いかけに答えてほしい。ここにいる... 大臣の額は汗びっしょりであり、彼の手は爪を手のひらに食... 「そんな遊びに付き合っている場合じゃなぁい! 今、最優先... 彼はそんな事を言っていた。未だにこんな人間がいるのか。 「......余が答えてほしいと言っているのだ......」 私は腰に携えていた愛刀を握り...... 「んっ......え? あああああああぁぁぁぁ」 余の何倍もある肉人形は右腕を抱えたまま叫んだ。 他の大物は他人事のように「かわいそうに」や「俺はああは... 巨象は食べた林檎の味を忘れ、草木を散々踏み荒らしてきた... 「皆のもの、余は問いかける。何故皆は『大きい』?」 刀をしまい、刀の頭を摩りながら大物達を見つめた。 宴会場は数秒沈黙したあと、嘲笑で包まれた。 大統領は腹を抱えながら...... 「そんなの決まっているじゃないか......金と名声があるから... やはり、民は千年経とうが変わらない。いつまで『過ち』を... そう、巨象は林檎を忘れようが、小象は林檎の食いカスを忘... その様子を見ていた大罪人の包帯は大統領の発言直後、解け... ---------------------------------------------------------... 「おや? 始まってしまったか。儀式が」 俺は背中から何百にもわたる蜘蛛の子が這いずる回るような... 「少年、ここが初めてっていうんなら、今から何が起きるか説... 俺は目線を少年の頭に向けた。 「大帝の昔話には続きがある。 大帝は全ての才能と財力を得た後、二度と起きないように無... 『その才能と財力を以て、余の為、世の為に全力を尽くし永久... そして百年毎に民から剥奪した八月三十日の夜で才能と財力... まぁ、この船に来る大物自体、宿題帳消しの為に来るような... そして不合格の者には裁きがやってくる」 ---------------------------------------------------------... 「宴会で飲み食いする『暴食』、現状に尚不満を抱き続ける『... 以上の罪を確認しました故、大帝への力の返却を発動致しま... 余に向かって語り掛けてきた者は包帯だらけの大罪人であり... 「我の目の前に悪魔など......汚らわしい! すぐに排除して... 大神は大悪魔の前に仁王立ちしたが、 「ん......」 大神の手はそこにはなかった。それどころか、秒読みで体が砂... 「なっ何だこれは! 私の足が無い! 大帝よ! 助けてくれ... 大臣はおろか、その場にいた大物達の体は砂となっていった。 「君達に才能や財力の使い方を強いているのではない。ただ、... そして大物達の残した砂は余の元に戻っていった。 先程まで飲んで遊んでいた宴会場はこれ程までに広かったの... 宴会場には余と『大悪魔』だけが残った。 「ああ、もう宴は終わり。結局宿題は果たせなかった。大物達... 「結局、あなたは孤独なのですね。自分のか弱さを理解し、そ... 燕尾服を着た初老は口角を上げた。 「無論だ。余は寛大であり続ける。決して一人の例外もなく受... ---------------------------------------------------------... 少年は大馬鹿者の話を聞いたが、途中から意識が朦朧とした... ...... ...... ピピピピ...... 慣れ親しんだ機械音と共に瞼を開けると眩しい白い光が眼を... (眠い......) テレビを付けるとどうやらニュースが騒がしかったらしく、... 今日は八月三十一日夏休み最終日。机には宿題の山があった。 終了行: [[活動/霧雨]] **八月三十一日 [#ced147c2] 狐砂走 (ヤバい......どうしてこうなった) 私の机の上には数学問題集と白紙のノート、英作文用紙に理... できるならこうなる事は避けたかった。やろうとは思ってい... (もう知らん。どーにでもなれ) 私は布団に潜り込み寝た。床には翌日で役目を全うできると... 意識は先の見えない常闇に沈み、現実を忘れ去ろうとした。 タッタッタッタ...... 廊下を靴下でも履いたような布と木のぶつかる足音が私の意... (やけに騒がしい......) 親が廊下を掃除しているならこの音の原因も分かる。ただ、... 私は目を瞑りながら芋虫のように這ってドアを探した。 おかしい。 もしも私の右手に触れているものがドアであれば磨かれた木... 恐る恐る鉛の瞼を上げると目の前には襖があった。部屋が真... 私は襖の端を両手で掴み、毎秒一ミリのペースで襖を左から... そこには幅五十メートルの先の見えない廊下に天井が一円玉... 中には自分が両腕で思いっきり広げてもおそらくは届かない... 即ち、どいつもこいつもサイズが桁違いであった。 私の居た部屋も違い、広さは四畳半の畳の間であり、四方を... 私は橙色の光に包まれた大通りを避けるように襖を沢山開け... 始めの一枚目二枚目は慎重に開けていたが、三枚目からは面... 十三枚目の襖の前まで来たときには後ろを見れば、足音はせ... 正直、こんなに襖があるんだから一気に連続で開けたいと思... 開けた後、一瞬後悔してしまった。 目の前には自分の身長の倍はあるような大男が立っていた。... 「ひっく......俺の昔話を聞きてぇか?」 酔いすぎてボケているのか私に対して昔話を聞かせてきた。... 「昔々、とある国で帝は国を治めていました。才能も財力、運... 帝は考えました。『もっと寛大になって己の能力を持てばき... 帝は自分の城に民を呼び、宴会を開くと民はこれでもかと食... 帝は怒り狂いました。欲に溺れた者に裁きと、悪魔を呼ぶた... 帝は晴れて『大帝』となり、才能も財力、運も手に入れまし... しかし、国民も難民も、敵国の民でさえ誰もいません。 国にはたった一人しかいませんでした......と。 どうだ? 面白いだろ」 「ははぁ......」 分かんないけど、その昔話がバッドエンドなのは分かった。 「はっ! こうしてはいられんな。宴会にいかなければ ここでは見ない顔だねぇ......どこかで会った? まぁ、そ... 彼はこちらを見ると顎を右手で摩りながら、 「そういえば、これからやらなければならない物があったよう... 「いえ......」 勿論知るわけがないし、会った事も無かった。 「そうかぁ......んーじゃあ、これ預けとく」 そう言って彼の胸倉から何十個もあるような鍵の束を渡され... 「ほれ、重いし鍵なんてどれも一緒に見えてしょうがない。ん... 彼はそう言ってそのまま去っていた。彼の足音はタンスでも... 私は彼の言う通り、ひたすら真っすぐ歩いた。 襖にぶつかっては開け、ぶつかっては開けを繰り返して五分... 先程渡された鍵を試しにいくつか鍵穴に入れてみると開いた... 私の足元には鉄錆の匂いで充満し、錆びた鉄粉が巻き散って... 襖を開けるとそこには書類の束があった。内容は様々であり... (あれ? こんな所に丸い水晶?) 琥珀色の大きな水晶があった。最初、地球儀かと思ったが、... このとき、触れなければよかったと後悔した。 (これは水晶じゃない......蛇の目だ!) 気づいた時にはもう遅く、倉庫の書類の束を倒しながら蛇は... (逃げないと......) ---------------------------------------------------------... 大男は襖を開けると俺と同じくらいの人々が豪華な料理が置... 「遅かったではないか? どこで油売ってた?『大馬鹿者』」 声の方向を見ると蒼いスーツを着た肥満の男がいた。 「これはこれは。お初にお目にかかる。『大臣』。また何か不... まあ、大方、ここに来る輩は何かしらの背負いきれない程の... 「何の話だ。私は事務仕事で忙しいのでね。今回の宴会の主は... (代償ねぇ......) 俺は宴会場の辺りを見渡した。 虚飾は舞台で踊り、燃料は無駄に捨てながら鯨はアルコール... 『大神』、『大統領』、『大海賊』、『大金持ち』、『大帝... 少し耳を澄ませば、 「何十年にもわたって国からの借金を背負い、明日になればデ... 「我は人間ごときに邪神として木の切れ端か何かに封印されて... 「いやぁ、なんと恐ろしい。その時は私へご贔屓お願いします... 彼らの会話を聞けば、とにかく物騒な話題が彼方此方に飛ん... そんな中、『大罪人』は茶色く薄汚れてた途切れ途切れの包... 「やあ、賢き者」 声のする方向へ顔を向くと、小さな少年がいた。 「『大帝』君。今日の客はどうだぁい? 巨大なモノを集める... 「それでどうしたの?」 「あっ......酔った勢いで大襖の鍵渡しちゃった。まぁ、仕方... 俺が鍵を少年に渡した事を口走った瞬間、辺りが凍り付いた。 周りの声は、 「ありえんだろ......きっと間違いだ」 「あの『大馬鹿者』のことだ、思い違いだろ」 皆々は先程まで大帝による宿題の焼却を楽しみにし、酔って... 「おい、馬鹿野郎! 君が何したのか分かっているのか!」 背後から畳を踏み潰すながら歩いてきたのは『大臣』だった。 「何か不味い事でもあるのか? 俺は大帝から大襖を任されて... 俺は腰を低くして大帝との高さを合わせた。 「無論、余は寛大であり、鍵くらい『大馬鹿者』に任せてもよ... 「何を流暢に酔っとる! こうしてはおられん、大襖はどこだ... 「あー、それなんだけどね......」 俺は場所を言おうとしたがその必要は無かった。 大襖の側からこっちに来たらしい。 従者の慌てふためく声、木がバキバキと破壊されゆく音と風... 瞬きをする度に音は拡大していった。 襖が破られ、目を向けると少年と大蛇の姿、そして紙吹雪の... 「皆、俺の大蛇がすまない! どうやらこの大船でも奴にとっ... 「ハハハハハハハ......余も宴会でこれほどまで派手な去り際... 俺は少年をハムスターをつまむように手に取ると、大蛇の頭... 「ここから出るぞ小僧。宿題なんて俺には好き勝手暴れてるか... 「いや......」 少年の様子を見たが、全く見当が付かない様子だった。 大蛇は黒袴の従者を紙吹雪の舞うが如く飛ばしながら木の板... ---------------------------------------------------------... 「皆の者! 余は一つの問いかけに答えてほしい。ここにいる... 大臣の額は汗びっしょりであり、彼の手は爪を手のひらに食... 「そんな遊びに付き合っている場合じゃなぁい! 今、最優先... 彼はそんな事を言っていた。未だにこんな人間がいるのか。 「......余が答えてほしいと言っているのだ......」 私は腰に携えていた愛刀を握り...... 「んっ......え? あああああああぁぁぁぁ」 余の何倍もある肉人形は右腕を抱えたまま叫んだ。 他の大物は他人事のように「かわいそうに」や「俺はああは... 巨象は食べた林檎の味を忘れ、草木を散々踏み荒らしてきた... 「皆のもの、余は問いかける。何故皆は『大きい』?」 刀をしまい、刀の頭を摩りながら大物達を見つめた。 宴会場は数秒沈黙したあと、嘲笑で包まれた。 大統領は腹を抱えながら...... 「そんなの決まっているじゃないか......金と名声があるから... やはり、民は千年経とうが変わらない。いつまで『過ち』を... そう、巨象は林檎を忘れようが、小象は林檎の食いカスを忘... その様子を見ていた大罪人の包帯は大統領の発言直後、解け... ---------------------------------------------------------... 「おや? 始まってしまったか。儀式が」 俺は背中から何百にもわたる蜘蛛の子が這いずる回るような... 「少年、ここが初めてっていうんなら、今から何が起きるか説... 俺は目線を少年の頭に向けた。 「大帝の昔話には続きがある。 大帝は全ての才能と財力を得た後、二度と起きないように無... 『その才能と財力を以て、余の為、世の為に全力を尽くし永久... そして百年毎に民から剥奪した八月三十日の夜で才能と財力... まぁ、この船に来る大物自体、宿題帳消しの為に来るような... そして不合格の者には裁きがやってくる」 ---------------------------------------------------------... 「宴会で飲み食いする『暴食』、現状に尚不満を抱き続ける『... 以上の罪を確認しました故、大帝への力の返却を発動致しま... 余に向かって語り掛けてきた者は包帯だらけの大罪人であり... 「我の目の前に悪魔など......汚らわしい! すぐに排除して... 大神は大悪魔の前に仁王立ちしたが、 「ん......」 大神の手はそこにはなかった。それどころか、秒読みで体が砂... 「なっ何だこれは! 私の足が無い! 大帝よ! 助けてくれ... 大臣はおろか、その場にいた大物達の体は砂となっていった。 「君達に才能や財力の使い方を強いているのではない。ただ、... そして大物達の残した砂は余の元に戻っていった。 先程まで飲んで遊んでいた宴会場はこれ程までに広かったの... 宴会場には余と『大悪魔』だけが残った。 「ああ、もう宴は終わり。結局宿題は果たせなかった。大物達... 「結局、あなたは孤独なのですね。自分のか弱さを理解し、そ... 燕尾服を着た初老は口角を上げた。 「無論だ。余は寛大であり続ける。決して一人の例外もなく受... ---------------------------------------------------------... 少年は大馬鹿者の話を聞いたが、途中から意識が朦朧とした... ...... ...... ピピピピ...... 慣れ親しんだ機械音と共に瞼を開けると眩しい白い光が眼を... (眠い......) テレビを付けるとどうやらニュースが騒がしかったらしく、... 今日は八月三十一日夏休み最終日。机には宿題の山があった。 ページ名: