開始行: #navi(活動/三題噺) *no Carnival ―― [[哉>部員紹介]] [#m5cddd34] ~ 侍女というよりは、秘書というほうがしっくりくるアリスが、... 「さっさと振ってください」 黒いスーツに身を固めたアリスが、眼鏡を正しながら主人に... しかし当のジラルディーノ伯爵は、彼女のことなど眼中にな... 「霜降りは飽きた、霜降りは飽きた、霜降りは飽きた」 「いい加減にしてください。元はといえば、伯爵の提案なんで... 「だってそれは、君が美味しいものばかり食べていたら、いつ... 「不満なんですか、霜降り。高級ですよ」 「高級だからってうまいとは限らないだろう。それに、我輩は... 堰を切ってなだれてくる伯爵の愚痴を、なあなあに受け止め... 「もう、文句を言ったって何も始まらないんですから、さっさ... わかっているとも、と半ば納得しきれないまま、ジラルディ... 六面ダイスは、そのまま重力に引き寄せられて、石畳の上を... 出た目は、六だった。 それを確認したアリスが、ファイルを手に取りページをめく... 「はい、今日の食事はアメリカ人の二十三歳。今日は取れたて... 「そんな情報はいいから、サイズを頼む」 「えーと、上から八十三、五十二、八十九です。これは当たり... 「で、体重は?」 「身長は百七十ですか、大きいほうですね」 「アリスくん、今日のディナーの体重を教えてくれ」 「本当に節操が足りませんね、伯爵のくせに」 ため息をついたアリスは、呆れながら言った。 「たった百二十キロですよ」 「ひゃくって、ちょっと待ちたまえ」 「良かったじゃないですか、伯爵。昨日より五十キロ痩せてま... 「そういう問題ではない。おい、アリスくん。もしかして、君... 「まさか。わたしだって伯爵の体調のことを考えて食事を用意... 「だから、それなら私に好きに食べさせてくれればいいだろう... 「伯爵が好き勝手に食事をしたら、この世界にモデルの遺伝子... 「食は細い方だから、安心したまえ」 「そんなこと言って、一回の食事で百キロを平らげるくせに」 「君が、『お残しは許しまへんで』なんてふうに睨みを利かせ... ジラルディーノ伯爵が、アリスに詰め寄る。 アリスは、まあまあと鼻息の荒い伯爵を宥めていると、伯爵が... やばい。 伯爵の目の色が変わった。 「アリスくん、もう一度、六番のスリーサイズを読み上げてく... えーとですね、とわざとらしく咳払いして答えた。 「フランス人の十五歳。身長は百四十三センチ、スリーサイズ... 沈黙が館に降りかかる。 伯爵の言葉が響く。 「何故、別の食事のプロフィールを読み上げたのか、言い訳は... 「まあアレです。伯爵は、どちらかというと嫌いなものから先... 確かに、と不気味に微笑んだジラルディーノ伯爵は、引き下が... 「そうとも。つまり、君がメインディッシュだ」 冷たい汗が背中を走り抜けていく。アリスの腰はいまにも抜... それを何とか支えて、彼女は震える声を無理やり縛り上げて、... 「わかりました」 よろしい、と伯爵は長いマントをひるがえす。 「今日は、その豚で勘弁してやる。だが、次も同じような策を... 彼はつかつかとテーブルに着き、いまだに足が竦んでいる秘... 「まったく、カニバリズムとは困ったものだ。愛でるだけでは... ~ CENTER:''(了)'' ~ ~ *この作品を評価する [#q14d25c2] #rating #navi(活動/三題噺) 終了行: #navi(活動/三題噺) *no Carnival ―― [[哉>部員紹介]] [#m5cddd34] ~ 侍女というよりは、秘書というほうがしっくりくるアリスが、... 「さっさと振ってください」 黒いスーツに身を固めたアリスが、眼鏡を正しながら主人に... しかし当のジラルディーノ伯爵は、彼女のことなど眼中にな... 「霜降りは飽きた、霜降りは飽きた、霜降りは飽きた」 「いい加減にしてください。元はといえば、伯爵の提案なんで... 「だってそれは、君が美味しいものばかり食べていたら、いつ... 「不満なんですか、霜降り。高級ですよ」 「高級だからってうまいとは限らないだろう。それに、我輩は... 堰を切ってなだれてくる伯爵の愚痴を、なあなあに受け止め... 「もう、文句を言ったって何も始まらないんですから、さっさ... わかっているとも、と半ば納得しきれないまま、ジラルディ... 六面ダイスは、そのまま重力に引き寄せられて、石畳の上を... 出た目は、六だった。 それを確認したアリスが、ファイルを手に取りページをめく... 「はい、今日の食事はアメリカ人の二十三歳。今日は取れたて... 「そんな情報はいいから、サイズを頼む」 「えーと、上から八十三、五十二、八十九です。これは当たり... 「で、体重は?」 「身長は百七十ですか、大きいほうですね」 「アリスくん、今日のディナーの体重を教えてくれ」 「本当に節操が足りませんね、伯爵のくせに」 ため息をついたアリスは、呆れながら言った。 「たった百二十キロですよ」 「ひゃくって、ちょっと待ちたまえ」 「良かったじゃないですか、伯爵。昨日より五十キロ痩せてま... 「そういう問題ではない。おい、アリスくん。もしかして、君... 「まさか。わたしだって伯爵の体調のことを考えて食事を用意... 「だから、それなら私に好きに食べさせてくれればいいだろう... 「伯爵が好き勝手に食事をしたら、この世界にモデルの遺伝子... 「食は細い方だから、安心したまえ」 「そんなこと言って、一回の食事で百キロを平らげるくせに」 「君が、『お残しは許しまへんで』なんてふうに睨みを利かせ... ジラルディーノ伯爵が、アリスに詰め寄る。 アリスは、まあまあと鼻息の荒い伯爵を宥めていると、伯爵が... やばい。 伯爵の目の色が変わった。 「アリスくん、もう一度、六番のスリーサイズを読み上げてく... えーとですね、とわざとらしく咳払いして答えた。 「フランス人の十五歳。身長は百四十三センチ、スリーサイズ... 沈黙が館に降りかかる。 伯爵の言葉が響く。 「何故、別の食事のプロフィールを読み上げたのか、言い訳は... 「まあアレです。伯爵は、どちらかというと嫌いなものから先... 確かに、と不気味に微笑んだジラルディーノ伯爵は、引き下が... 「そうとも。つまり、君がメインディッシュだ」 冷たい汗が背中を走り抜けていく。アリスの腰はいまにも抜... それを何とか支えて、彼女は震える声を無理やり縛り上げて、... 「わかりました」 よろしい、と伯爵は長いマントをひるがえす。 「今日は、その豚で勘弁してやる。だが、次も同じような策を... 彼はつかつかとテーブルに着き、いまだに足が竦んでいる秘... 「まったく、カニバリズムとは困ったものだ。愛でるだけでは... ~ CENTER:''(了)'' ~ ~ *この作品を評価する [#q14d25c2] #rating #navi(活動/三題噺) ページ名: