KIT Literature Club Official Website

京都工芸繊維大学 文藝部

Top / 活動 / 霧雨 / vol.46 / この世界の、どこかの誰かの孤独
Last-modified:
| | | |

 [[活動/霧雨]]
 
 **この世界の、どこかの誰かの孤独 [#ma657e84]
 
 葉野海
 
 #hr
 #br
 
 過ぎ去った時間を数え直すとき、
 
 世界に独り、座っているのは、わたし
 
 明日が描けなくなった、この手が描くのは
 
 色のない故郷
 
 #hr
 #br
 
 閉じられた絵本を手に取って、
 
 背表紙を撫でたとき、心臓が脈打った
 
 #hr
 #br
 
 コーヒーの匂いが恋しくて
 
 シチューの味が懐かしいから
 
 わたしは、わたしを生かし続けるのでしょう
 
 #hr
 #br
 
 どこかの誰かの呼吸が聞こえて
 
 孤独を優しく包んだら、朝日みたいに光ってる