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京都工芸繊維大学 文藝部

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 CENTER:''[[Aka>部員紹介]]''
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  食堂にて。
 
 「あー、だりー。から揚げ丼うまかった?」
 「んーまあまあな。次授業ある?」
 「あるよ。そっちは?」
 「ある。でも結構時間開いてるよな」 
 「だな。あー、退屈。」
 「・・・・・」
 「・・・。なんかサークル入った?」
 「んー。まだ決めかねてる」
 「そうか。運動系にするのか?」
 「いや、運動はしたくない」
 「ふーん・・・。そういえば前に一緒にミュージカルサークルの新歓行ったけど、あれはどうなんだ?」
 「いや、微妙。というかあの新歓の事あんまり覚えてないんだよな」
 「ん、なんでだ?」
 「かなりハイスペースで飲んだからな・・・。というか飲まされたし」
 「あー、俺もだった。うっすらしか記憶ないな」
 「後から聞いた話だと、ミュージカルサークルってサークル自体が酒豪で有名なんだって」
 「えー。先に調べとけよ」
 「俺に言うな」
 「・・・・・」
 「・・・・・」
 「・・・・・どこから覚えてない?」
 「あの日か?うーん。なんかあの日のこと自体、スッパリ記憶が無いんだよね。気付いたら家だったし」
 「ふーん。・・・・・じゃああの事覚えてないのか?」
 「あのことって?」
 「お前がやんちゃした奴」
 「なんだよ、それ」
 「秘密」
 「言えよ。気になるだろ」
 「話すと長いからなぁ」
 「いいよ、別に。どうせ俺もお前も暇だろ」
 「仕方ないな。
  えぇと、あの日、新歓が始まって30分位だったのにお前はそのとき既にありえないペースで酒を飲んでいて、早くもへべれけだったんだ。それなのにお前はテンションが上がったのかさらに飲み続けた。それも周りが心配するほどに。そしてさらに30分が経過した。その時にはさすがに周りもすっかり出来上がっていたのか、何か特技の自慢大会みたいなことになっていた。そうすると、お前はこう言ったんだ。
 『俺に盗めないものは無いですよ』
  もちろん皆冗談だと思って嘘だと笑った。でも皆が笑うとお前は怒った。
 『嘘じゃないですよ。なんなら何か言ってみてください。盗って来ますから』
  皆はやはり笑って、一人が言った。
 『じゃあ、向かいのコンビニでガムでも取ってきてくれよ』
  そう言われると、お前は出て行った。もちろん皆はお前が強がって出て行ったのだと思った。そして10分くらいして、皆は、お前が酔いに醒めて引っ込みがつかなくなって帰っただとか、適当な話をして笑っていた。そんな話をしていると、お前が帰ってきた。
 『どうだったんだよ?』一人がニヤニヤしながら言った。
 『はい』
 『ぶふぉぁっ!!箱ごとかよ!!』
 『え?当たり前でしょ?』
  お前は鞄から箱を差し出しながら、さも当然そうに言った。
  ゲラゲラ笑うものもいれば、少し不安そうな顔をしている奴もいた。が、皆はかなり酔っていたのか、お前に次の指示を出したんだ。
 『じゃあさ、酒も無くなって来たし次は酒を盗ってこいよ。もちろん箱でな』と一人が笑いながら言った。
  お前は頷いて直ぐに出て行った。さすがにそれは無理だろう、とか、だいたいどこから盗ってくるんだよ、とかそんな話をしながらみんなは飲んでいた。すると、お前は戻ってきた。しかし今度は手ぶらだった。
 『おー、今度はさすがに無理だったか。まあ、普通無理だけどな』と爆笑しながら一人が言った。
 『外にありますよ』そう言ってお前は扉の前から避けて、皆に外が見えるようにした。
 『ええ~~~~~~!盗って来すぎだろ!!』
  外には、板にタイヤが付いたような荷車にビールやら缶チューハイやらの箱4箱が2×2にして積んであった。ここまで来ると、皆おかしくなって笑い出す。どうやって盗ってきたのか?とか誰かが聞くとお前は、企業秘密です、と言って頑固に答えなかった。
  そうしてまたしばらく飲んでいて、また一人が言った。
 『なあ・・・金とか盗って来れるのか?』
 『当たり前です』
  やはり人間行き着く先はそこなのだろう。止めとけよ、とか、それはまずいだろ、とかの制止の声もいくつか上がったが、結局その場のノリというものは恐ろしく、結局お前は行くことになった。
 『いくらとって来ればいいんですか?』靴を履いて、お前が尋ねた。
 『ん、お前の力量に任せる』
 『わかりました。1時間して帰って来なかったら、解散しておいてください』
  そういって、気をつけろよー、とか、捕まるんじゃねぇぞー、とかの声をかけられながらもお前は出て行った。しかし、お前はその日は帰ってこなかったんだ。」
 「・・・・・うわ・・・・・、すごいな、俺。ていうか、マジなのか?」
 「馬鹿。嘘だよ」
 「アホ。俺も嘘だよ。新歓が終わってから起こされて、部室から家に帰ったのは覚えてるんだよ」
 「・・・・・うざっ」
 「お前の方がウザイだろうが。悪質な嘘付きやがって」
 「お前も俺からしたら十分悪質だよ。さんざん無駄話喋らせやがって」
 「途中で思い出したんだよ。しかもお前が勝手に話しただけだし。というかよく瞬時にそんな長編ホラ話が出てくるな」
 「・・・・・一昨日、ミュージカルサークルの先輩にそっくりそのまま言われたんだよ」
 「・・・・・騙されたのか?」
 「・・・・・」
 「ぶぁはははははははははははははははははははは!!何赤面してんだよ!アホだ!21世紀最強のアフォブファッ!!ってもう時間15分も過ぎてるじゃねぇか!た・・単位が!」
 「後一回の遅刻で単位を落とす奴もアホだろうが!走れっ!!」
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  アパートにて。
 
 「ふぅ。っていうかボロいアパートだ。このドア腐りかけてるんじゃないのか?まあ安いから良い・・・ってあれ?俺の部屋にこんなゴミ箱あったっけ?・・・なんで中に鞄?
  ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・何この金?」
 
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 CENTER:''(了)''
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 CENTER:三題噺 14第回
  -- ゴミ -- サークル -- 忘却 -- 
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