&size(20){'''ノンフィクション?'''};
CENTER:''[[一 一>部員紹介]]''
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文藝部のボックス、あの狭苦しいところに12人も入っていたから驚きだ。
先週の水曜日、今年度初部会にて全ては始まった。
とある先輩が
「さて、新入生も何人か入ったことだし、今回の三題噺のテーマを決めるとしようか。じゃあ俺から。『桜』。まぁ、一回生は初めてだから簡単そうなのから」
「じゃあ、僕は……」
と言う感じで良く分からないまま話は進行していく。何やら適当に思い付いた単語を言えばいいらしい。
その中から後で適当に三つ決めるんだと。
んで、その三つのテーマにそって話を考えてくるのが、三題噺ってわけ。分かりましたか?
「ゴミで」
僕と同じ一回生/グリズリー/と名乗る、確かに見ようによってはクマっぽい人が言った。あだ名の由来は名前からきてるとか。名前何だったっけ?
そんなことを考えているうちに、次は僕の番らしい。
「次いっくんね」
「あ、はい。えと、サークルで…」
「サークルって、サークルだったら何でもいいの?」
何やらよく分からないことを聞かれている。サークルと言えばサークルだろう。
「例えば、円とか」
あ、なるほど、サークル、ね。部活のことじゃないのか。
「一応、部活ってこと」
「いいやん、特定せんでも」
言い終わる前に同じ一回生の僕と名前がややこしい奴が言ってきた。
「はい、じゃあ、なんでも」
別に部活って意味のサークルじゃないと嫌ってわけじゃないけど、部活って言おうとしたんだけどな。まぁ、どっとでもいいけど。
「最後は俺だな。工業用メチルアルコール」
……ウケねらいなんだろうか?本人は眼鏡の橋の部分を押し上げて不適に笑ってるし……
「それは一回にとってはむっかいって、却下」
いや、別に一回生じゃなくても難しいと思います。だいたい、工業用とそれ以外用の何が違うのかも分からないし。
「全部出揃ったしサイコロで決めよう、ちょうど12人なのと12面体のサイコロがあるし」
出た目は、4、8、11。
あ、僕のが当たってる。
「では、今回のテーマは『ゴミ』『サークル』『忘却』となりました。期日はそうだなぁ、一回は初めてだから来週の金曜日までね。」
結構厳しいな。でもまぁ、何とかなるだろ。多分。
「あ、言い忘れたけど、このテーマは台詞として使ってもオッケーだから」
なんだ。じゃあ、結構簡単じゃん。
「ん~、やること終わっちゃったね。じゃ」
「神様がお作りになられたのは」
扉が開くのと同時に戯言ネタがやってきたが、全部言いきる前に撃沈なされました。
南無南無。
まぁ、そんなこんなで初部会は無事に終わったのですが。
……気が付けば、その期日が二日後に迫っていた。
いや、さぼっていたわけじゃないんですよ?
ほら、弓道部とかでいろいろ忙しかったですし…
決して家に帰ってゲームや小説を読んでなんかいませんよ?
よしんば読んでいたとしても、それは参考にするために読んでいたのであって、娯楽で読んでいたわけではないのです!
……き、きっと他の人もまだ出来てないはず。
うん、まだ大丈……夫?
うっわ~、他の人けっこう終わってるよ~。
どうしよう。
とりあえず他の人のを見せて貰……いや、駄目だ。
自分の文才の無さに気付いて、やる気を根こそぎごっそりと取られてしまう。
何とか自分で……
提出締め切り当日(の早朝)。
……書いた。出来たのではない。書いたのだ。
そこには海よりも深く、空よりも高い壁があるのだ。
これで後は提出するだけ。
印刷して先輩に渡せばそれで終わりっと。
ここまでして忘れると漫画みたいなんだけどなぁ。
流石にそんなネタは要らんか。
……
授業終了後、文藝部ボックスにて。
「はい、今日が締め切りですが、書いてきましたか?」
一番早くに書き終わり高見の見物をしていたニコニコ顔の先輩だ。
自分には文才のぶの字も無いことに涙しながら書いてきましたとも。
徹夜して書き上げましたともよ。
筆箱は忘れても(家の玄関で原稿を確認した時に出したまま忘れた)これは忘れませんでしたよ!
授業は全部ウトウトしてたから、筆箱の一つや二つなくたって全然困りませんでしたし。
結果オーライ?
「お?ちゃんと書いて来たみたいだね。どれどれ……」
この物語に登場する個人名、団体名、企業名は全てフィクションです。
現実にいる人を題材になんか全くこれっぽちもしていませんので、何か似てると思ったからといって落ち込んだりせず、またからかったりしないであげて下さい。
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CENTER:''(了)''
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CENTER:三題噺 14第回
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