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京都工芸繊維大学 文藝部

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 *バタフライ・エフェクト [#m0f50e12]
 -作者: 出演: アシュトン・カッチャー, エイミー・スマート, エリック・ストルツ 
 -監督: エリック・ブレス, J・マッキー・グラバー 
 -評者: [[哉>部員紹介#tc6461ca]]
 -日付: 2006-08-23
 **お薦め対象 [#p378457f]
 みんなに。
 
 #amazon(,clear)
 **あらすじ [#t87f1cde]
 時折、記憶を喪失する少年だったエヴァン。成長してからはその症状も無くなったのだが、ある日、その治療のために小さい頃から書いていた日記を読むと過去に戻れる能力がある事を知る。自分のせいで幼馴染のケイリーの人生を狂わせてしまった事を悔やみ、過去に戻り運命を変える事を決意する。
  時折、記憶を喪失する少年だったエヴァン。成長してからはその症状も無くなったのだが、ある日、その治療のために小さい頃から書いていた日記を読むと過去に戻れる能力がある事を知る。自分のせいで幼馴染のケイリーの人生を狂わせてしまった事を悔やみ、過去に戻り運命を変える事を決意する。
 
 **感想 [#g6fc4917]
 サスペンスの領域を超える傑作。
 #br
 時間をさかのぼり、過去を変えることのできるのなら、
 いったいどんなことに使うだろう。
 きっと誰でも一度は考えたことがあると思います。
 あの日、あの時、あの場所で。いくつもの取捨選択を繰り返して
 いまに至るなかで、でも、もしあのとき別の道を選んでいたら、
 もし他の人と歩いていたら、自分はどうなっていただろう。
 いまよりももっとマシな生活が送れていたのではないだろうか。
 もっと違う出会いがあって、いまとは正反対のことをしているのではないだろうか。&br;
  サスペンスの領域を超える傑作。
 
  時間をさかのぼり、過去を変えることのできるのなら、いったいどんなことに使うだろう。
 きっと誰でも一度は考えたことがあると思います。あの日、あの時、あの場所で。いくつもの取捨選択を繰り返していまに至るなかで、でも、もしあのとき別の道を選んでいたら、もし他の人と歩いていたら、自分はどうなっていただろう。いまよりももっとマシな生活が送れていたのではないだろうか。もっと違う出会いがあって、いまとは正反対のことをしているのではないだろうか。
 
 ‘もし’の行く末は絶対に手に入らない希望で溢れている。
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 後悔を取り消すことができるとして、その先には何があるのか。
 #br
 主人公のエヴァンは、不幸にまみれて自殺した彼女のために、
 幾度となく過去を変えていきます。
 人生の転機となる箇所に立ち、誰もが幸せになるように努力するも、
 どこかで生じた小さなヒビによって、
 流れる時間の重さに耐え切ることができずに、彼の作った幸せは脆くも砕けてしまう。
 #br
 アイディアや構成といったものが、素晴らしく融合されています。
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 エヴァンは、ときどき記憶喪失になる病気に悩まされており、
 七歳の頃から日記をつける習慣が、ずっと大学生になるまで続いていた。
 かくして大学生になった彼は、また過去のことを忘れており、
 それまで書き溜めた日記を見返す。そのとき、景色が地震のように揺れ始め、
 日記の内容の場所に戻ることができることに気がつくのです。
 #br
 その魅せ方が非常に巧であると感じました。
 過去というものが瓦解していく様がうまく表現され、
 未来へと戻ってきたエヴァンには、
 彼が過去を変えたことにより生じた記憶が雪崩れ込んできます。
 情報はすくないですが、的確なのでわかりにくいという事はありません。
 むしろ、ストーリーが進むにつれて、伏線の数々が明かされていくことのカタルシスが
 非常に気持ちいいです。かなり上質のサスペンスと言えるでしょう。
 #br
 ただこの作品は、それがメインではありません。
 #br
 たぶん、ラストに不満を感じる人がいると思います。
 かくいうわたしも、何故と思いながらエンディングの音楽を聞いていました。
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 それでも。
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 彼女の幸せのために、自分のできることは何かと考えたとき、&br;
 はじめてエヴァンの行動の真意が胸を打ちます。
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 これは、見終わったあとにじわじわ来るタイプの感動でした。かなり、おすすめです。
 
  後悔を取り消すことができるとして、その先には何があるのか。
  主人公のエヴァンは、不幸にまみれて自殺した彼女のために、幾度となく過去を変えていきます。人生の転機となる箇所に立ち、誰もが幸せになるように努力するも、どこかで生じた小さなヒビによって、流れる時間の重さに耐え切ることができずに、彼の作った幸せは脆くも砕けてしまう。
 
  アイディアや構成といったものが、素晴らしく融合されています。
 
  エヴァンは、ときどき記憶喪失になる病気に悩まされており、七歳の頃から日記をつける習慣が、ずっと大学生になるまで続いていました。かくして大学生になった彼は、また過去のことを忘れており、それまで書き溜めた日記を読み返します。そのとき、景色が地震のように揺れ始め、日記の内容の場所に戻ることができることに気がつくのです。
 
  その魅せ方が非常に巧であると感じました。過去というものが瓦解していく様がうまく表現され、未来へと戻ってきたエヴァンには、彼が過去を変えたことにより生じた記憶が雪崩れ込んできます。情報はすくないですが、的確なのでわかりにくいという事はありません。むしろ、ストーリーが進むにつれて、伏線の数々が明かされていくことのカタルシスが非常に気持ちいいです。かなり上質のサスペンスと言えるでしょう。
 
  ただこの作品は、それがメインではありません。
 
  たぶん、ラストに不満を感じる人がいると思います。かくいうわたしも、何故と思いながらエンディングの音楽を聞いていました。それでも、彼女の幸せのために、自分のできることは何かと考えたとき、はじめてエヴァンの行動の真意が胸を打ちます。
 
  これは、見終わったあとにじわじわ来るタイプの感動でした。かなり、おすすめです。
 RIGHT:評価:A+
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 ※DVDには、違うエンディングとそれに対する監督のの解説が用意されているので、
 レンタルショップで借りるさいにはDVDのほうを選んだほうがいいですよ。
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