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京都工芸繊維大学 文藝部

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 *フライ,ダディ,フライ [#o0a0be1b]
 -出演: 岡田准一, 堤真一, 松尾敏伸, 須藤元気, 星井七瀬 
 -監督: 成島出 
 -評者: [[哉>部員紹介#tc6461ca]]
 -日付: 2006-08-18
 **お薦め対象 [#n39f28fb]
 痛快な映画が観たいかたへ。
 
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 **あらすじ [#ie15290e]
 円満な家庭の中幸せな生活を送るサラリーマン・鈴木であったが、夏のある日、愛娘が同じ高校の生徒でボクシングの高校チャンピオンである石原に殴られ入院し、心を閉ざしてしまう。鈴木は石原へ復讐を果たすべく包丁を持って石原の高校へ向かうが、在日高校生であるスンシンに伸されてしまう。その後、目を覚ました鈴木は乗り込む高校を間違えたことを知り、気を落とす。そんな鈴木に対し、話を聞いたスンシンやその仲間は、石原に一矢報い、鈴木の家族の絆を取り戻すべく、ある計画を立てる。それは、夏の間鈴木を鍛え、ボクシングで石原を倒すというものだった。
  円満な家庭の中幸せな生活を送るサラリーマン・鈴木であったが、夏のある日、愛娘が同じ高校の生徒でボクシングの高校チャンピオンである石原に殴られ入院し、心を閉ざしてしまう。鈴木は石原へ復讐を果たすべく包丁を持って石原の高校へ向かうが、在日高校生であるスンシンに伸されてしまう。その後、目を覚ました鈴木は乗り込む高校を間違えたことを知り、気を落とす。そんな鈴木に対し、話を聞いたスンシンやその仲間は、石原に一矢報い、鈴木の家族の絆を取り戻すべく、ある計画を立てる。それは、夏の間鈴木を鍛え、ボクシングで石原を倒すというものだった。
 
 
 **感想 [#j45149e1]
 大人が尊厳を取り戻すための良作。
  大人が尊厳を取り戻すための良作。
 
 最初、モノクロのシーンにて鈴木一家の日常、
 娘が暴力事件に巻き込まれて入院するまでが描かれているのですが、
 ここまでは本当に面白くない。登場人物が勝手に動き回り、
 観客の興味を引こうとしていないように感じられました。
 なんていうか、こんなドラマをわざわざ現代人には慣れていない白黒で表現するのはどうなの?
 と懐疑的に観ていたわけです。いくつか捻ったシークエンスがあるものの、
 全体的に暗い。まあ色がないわけですから。
  最初、モノクロのシーンにて鈴木一家の日常、娘が暴力事件に巻き込まれて入院するまでが描かれているのですが、ここまでは本当に面白くない。登場人物が勝手に動き回り、観客の興味を引こうとしていないように感じられました。なんていうか、こんなドラマをわざわざ現代人には慣れていない白黒で表現するのはどうなの?と懐疑的に観ていたわけです。いくつか捻ったシークエンスがあるものの、全体的に暗い。まあ色がないわけですから。
 
 ただ、岡田准一演じるスンシンの登場シーンは印象的でした。
 ここで色が観客に与えられ、青い空を背景に不思議なダンスを踊る彼は、
 やはり本物であると思いました。
  ただ、岡田准一演じるスンシンの登場シーンは印象的でした。ここで色が観客に与えられ、青い空を背景に不思議なダンスを踊る彼は、やはり本物であると思いました。
 
 そこから、この作品は面白さを増していきます。
 特に主演の二人の演技が良かったです。
 堤真一はうだつの上がらないサラリーマンから、家族を守るために必死になる父親をコミカルに、
 岡田准一は、ニヒルにダメ親父を鍛える役柄をしっかりと演じていました。
  そこから、この作品は面白さを増していきます。特に主演の二人の演技が良かったです。堤真一はうだつの上がらないサラリーマンから、家族を守るために必死になる父親をコミカルに、岡田准一は、ニヒルにダメ親父を鍛える役柄をしっかりと演じていました。
 
 脚本にすこし違和感がありますが、それは設定上仕方のないことです。
 だって娘の敵討ちのために、高校生に鍛えてもらうなんてどう考えても常軌を逸しています。
 むしろ、これはうまく映画化されています。全体的にだれているところはないし、
 最後の鈴木と石原との対決への運び方には好感が持てます。
 二人の対決シーン、石原役を格闘家の須藤元気が演じているので見ものではありますが、
 すこしあっさりとしすぎている気がしました。
 まあ、しょうがないでしょう。ここで殴り合いの末というのは、
 あまりに現実離れしすぎていますし、堤真一は役者ですからね。
  脚本にすこし違和感がありますが、それは設定上仕方のないことです。だって娘の敵討ちのために、高校生に鍛えてもらうなんてどう考えても常軌を逸しています。むしろ、これはうまく映画化されています。全体的にだれているところはないし、最後の鈴木と石原との対決への運び方には好感が持てます。二人の対決シーン、石原役を格闘家の須藤元気が演じているので見ものではありますが、すこしあっさりとしすぎている気がしました。まあ、しょうがないでしょう。ここで殴り合いの末というのは、あまりに現実離れしすぎていますし、堤真一は役者ですからね。
 
 荒唐無稽ながら、それでも楽しめる映画でした。かなりの爽やか度です。
  荒唐無稽ながら、それでも楽しめる映画でした。かなりの爽やか度です。
 RIGHT:評価:A
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