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京都工芸繊維大学 文藝部


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 [[活動/霧雨]]
 
 **宝石 [#zfc2023f]
 
 葉野海
 
 冷え込んだ空気に包まれて、昨日と今日に線引きをする。落ち葉を踏んではいけない気がして、その合間を歩いていく
 
 今日もここに来ています。やらなければいけないことがあるから
 
 そのほとんどは、光が変わり果てた姿。そうさせてしまったのは、自分自身だと私は思っている
 
 
 
 平日の午後、陽だまりのなかを歩く。心地良い空気が心を軽くする。すぐそこにあった生活を遠くから見ている
 
 どちらが本当の時間なのだろう
 
 私は大人だから、陽だまりのなかにだけ居ることはできないと思っている。それに、たまには、張り詰めた緊張が欲しくなるかもしれない
 
 だけど、心のどこかで、望むなら選択できるはずだとも思っている
 
 
 
 暖かい光の下で、時間がゆっくりと流れる。そういう場所に居ること、そこから離れてしまうこと
 
 何事もバランスが大事だよと友達が教えてくれる。そのとき、私は平均台に乗っているようだった
 
 長くて先が見えない。いつ終わるか分からない世界を歩いていく
 
 
 
 あなたは、明日もやらなければいけないことをするのでしょう。そうやって勝手に決めつけてくれるのなら、楽かもしれない
 
 その気になれば、どこへでも行けたはずだったのに、あなたはそうしなかった。もしそう言われたら、そんなに強くなかったからと答えるつもり
 
 
 
 何かを求めて、どこかに行くこと。それだけのことが上手くできない
 
 だから、心に宝石がほしい。触れれば、心に刻んだこと、その全てが目の前に降りてくるような確かなもの
 
 そしたら、陽だまりのなかにだって自由に行ける
 
 
 
 言ってみただけ。もちろん、本気で欲しいとは思っていない。そんな簡単に、形のあるものになっては困るから
 
 
 小さな光を辿っていく